Michinoku hitori tabi Part 0 何故に東北?


1998/6/26(Fri)から1998/7/3(Fri)の8日間、どういう因果か東北地方を一人でツーリングすることになりました。なんとか無事に帰ってくることが出来たので、その状況をレポートしてみます。



世間が浮かれまくっていた五月連休、俺はずーっと仕事していた。本来休みの筈なのに仕事するというのは限りなく腹立たしいものである。どうもソフト業界ってえのは、客が休日に出てこいって言うとハイハイと出ていってしまう悪い習慣があるんだよな。いいかげんにしろよな、あの営業め。ともあれ、そのおかげで俺は「好きなときに1週間休める権」を特に俺自身が要求したわけでもないのに手に入れることとなった。

1週間休むと言えば遠出だ。遠出と言っても海外なんかに行く金は無いし、それ以前に俺は飛行機が嫌いなのだ。となれば国内だが、車で一人で旅行するのはあまりカッコ良くない。やっぱりバイクだ。一人旅と言えばバイクしかない。さて何処に行くか、と思ったところに、前に長期出張していた宇都宮の連中から、毎年恒例「夏の贅沢、米沢牛ツーリング」の連絡が来た。おお、これは丁度良い。上手い具合に横手に知り合いが居るし、米沢から横手に行って、そのまま東北を1週間うろついてしまえば良いのだ。うーん、我ながら素晴らしいプランだ(どこがだ!!)

そうと決まれば話は早い。日程は米沢牛ツーリングに合わせて6月26日発、7月3日帰宅とし、早速上司に休暇の申請をする。どうせ不景気で仕事も無いので楽勝だ。さらに宇都宮、横手と泊めてもらうつもりの知人に連絡を入れる。都合の良いことに皆既婚者だからそうそう休日の予定は無いようで、こちらも簡単に宿泊予約完了。うんうん、いい感じだ。そして普通の人なら、地図とにらめっこして旅の途中で泊まる宿を予約するのだろうが、あいにく俺はそんなブルジョアな奴ではない。泊まりは当然キャンプだ。今回の目標は7泊8日で宿泊費0円だ。そもそもバイクでブラブラ動くのに、宿なんか予約して時間に縛られること自体がナンセンスだよな。ここは貧乏に徹するに限る。BMWには貧乏人も乗っていることを身をもって実証しなければならない。

さあ予定は決まった。でも決まったのは日程だけで、何処を通るかなんてこれっぽっちも決めていない。ま、予定なんてどうせ寄り道してしまって変わるから意味ないのだが、せめて「ここは絶対行くぞ!」という場所位は決めておかないとどうにもならない。とりあえずバイク乗り必携「ツーリングマップル東北」を買う。今回は折角の長い休みなので、東北でも北の3県、青森、秋田、岩手を中心に回ることにして、あちらこちらから情報を集める。東北の知識はあまり無いのだが、地図を見ているうちになんとなく見えてくる。まあ東北は初めてだし、せめて有名どころには行っておかないとな。というわけで、竜飛岬、十和田湖、田沢湖、八幡平、男鹿半島(の夕陽)、竜泉洞には最低限行くことに決定。おっと、そういえばあれも、これも....と考えているうちに気がつくと2週間あっても足りないくらい行きたい所が増えてくる。困ったもんだ。

でもまあ、そんなのは行ってしまえば何とかなるもんだ。というより、どうせ行き先なんかその時の気分で決める方が面白いのだ。そんなことよりキャンプ道具その他の準備だ。今まで一泊キャンプってのは何度もやってるが、今回は多分7泊中4泊はキャンプだから、多少の準備は必要か...と一瞬考えてはみたものの、実は何泊しようと道具の数なんか変わらないことにすぐ気付く。でも着替えの数は増えるから、一応でかい登山用のリュックと、まともに寝られるように空気マットも用意したほうがいいな。あとパイプ椅子もあった方がいいか。あとはストーブ用のガスと、キャンドルランタン用の蝋燭。こんなもんかね。食い物はどうにでもなるけど、こういう消耗品は田舎だとなかなか見つからないからなあ。

Packing というわけで、詰め込んでみた。気付いたら結構な量だ。パニアケースがあって良かった良かった。

あとはバイクの整備だが、乗っていて特に調子が悪いことも無いのであまりすることもない。とりあえず空気圧チェックとオイル交換くらいはしておく。オイルは本当なら純正を使いたいところがだが、1リットル3000円もするものを貧乏人がおいそれと4本も買えるわけが無い。仕方がないのでCastrolのXF-08を入れてみることにする。SJの10W-40だから、多分大丈夫だろう。これだってダイクマで2980円もするんだから十分高いのだ。今まで車とバイクで9万キロは走ったけど、こんな高いオイルは一度も入れたことが無いくらいだ。しかし説明書の「オイルは代理店で交換するように」という指示に従わなかったのが祟ったか、交換直後に雨が降り出し、慌ててオイルパックリをゴミ袋に詰めたらいつの間にかオイルが洩れ出して駐車場がオイルまみれになってしまった。まあ何はともあれ準備完了。あとは晴れるのを祈るのみだ。

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Over 100,000km Project