BMW K100RS Over 100,000km Project
純正以外のオイルを使うとどうなる?

純正エンジンオイルは高い。1リットル3,000円はいくらなんでも高い。K100RSはフィルター交換無しで3.5リットル、フィルター交換時は3.75リットル必要なので、4リットル買わなければならないのでそれだけで12,000円になる。いくら何でも代理店が1リットル物を4本使うとは思えないが、どうせ工賃もかかるので最低10,000円はかかると思わねばならない。これは「壊れないから金がかからない」という理由でBMWを選んだような人間にはそう簡単に納得できるようなものではない。でも店の人は純正以外は駄目って言うんだよな。困ったことに。

そろそろ交換時期だし、どうしたものか、と思っていたら、たまたまfj.rec.motorcyclesでBMWのエンジンオイルに関する議論があった。BMWや代理店の言い分を真に受けて純正を使っているのは実は少数派のようで、粘度やグレードが合っていれば別に何でもいいんじゃないの? という人が多かった。安物美学を標榜する俺はあっさりとこの多数派の意見に迎合することに決定。早速カーショップに向かう。

カーショップには向かったものの、ここではあくまで比較検討するだけで、実際に買うのはダイクマと相場が決まっている。ダイクマの方が安いんだから当然だ。だったら最初からダイクマに行けば良いのだが、ダイクマよりカーショップの方が品揃えが良いし、たまーに掘り出し物があることがあるから一応行っておかねばならない。何店か回ったが特に安いものはないので、ダイクマにも確実に売っているカストロールを中心に選ぶ。某車関係のMLではカストロールはエンジンを汚すなどとボロクソにけなす人も居るが、オイルなんか宗教みたいなものだから自分が良いと思えばそれで良いのだ。値段と数値から考えて、XF-08にすることに決定。


グレード 粘度
BMWの指定 SE,SF 5W-40
XF-08 SJ 10W-40

粘度はちょっと違うが、どうせ夏しか使わないから少し高めでもまあ良いだろう。丁度同じ粘度のXJRというオイルもあるが、こちらはさらに1,000円高いので、XF-08で良いのだと自分に言い聞かせながらダイクマに向かう。カーショップでは軒並み3,980円だったが、ダイクマでは2,980円。早速購入。ついでにオイルパックリも購入。本当ならドレンパッキンも買うべきなのだが、過去の経験上1回位の再利用ならまず大丈夫だと決めつけて買わない。というより、バイク屋に買いに行くのが面倒だというのが最も大きな理由だったりもする。

交換自体は簡単だ。螺子4本で止まっているロアカウルを外し、ドレンボルトを外すだけだ。カウルを外したところで、結構な量のオイルがフィルター近辺から漏れていることを発見。オイルが減る理由は燃えるだけでは無かったか。外して初めてそんなことに気付くとは我ながら情けない。ドレンボルトがやたらと固かったことと、オイルパックリの処理を誤って駐車場をオイルまみれにするという誤算はあったが、それ以外は簡単に終了。早速エンジンをかけてみる。

オイルを変えたのだから当たり前だが、エンジンの機械音は静かになり、アイドリングも若干安定している。ただ、納車直後に比べると何となくフィーリングが良くないように思える。やはりオイルが悪かったのか? と少し不安になる。試しに家の近くを少し乗り回してみるが、印象はあまり変わらない。ま、暫く乗っていればマシになるだろう、と勝手に決めつけて、作業は終わりとした。翌週から一週間の東北ツーリングに行くのだから、本当はもう少し神経質にならなくちゃいけないのだが。

結果がどうであるかは行ってみれば判る。自宅からR1〜首都高と走り、東北道の浦和料金所に到着。ここまでは半分くらい渋滞の中を走っている。あまりエンジンの状況に変化は無いが、多少落ち着いてきたような気もする。さらに東北道を佐野SAまで走る。こちらは渋滞は全く無く、殆ど馴らし運転のようにスムースに走れた。一度エンジンを止め、暫くおいて再始動すると、先程よりは明らかに落ち着いている。納車時と殆ど同じような状態だ。考えてみれば、ここ数ヶ月殆ど街乗りばかりで、ロングツーリング、特に有料道路は殆ど使っていなかったので、そのせいもあったのかもしれない、とおかしなことを考えてみるが、それ以外にあまり原因も思いつかない。

そしてそのまま東北ツーリングを続行。あまりエンジンを止める機会が無いこともあるのか、オイルの消費量は交換前に比べて少ないようだ。3,000km走っても、オイルインジケーターの半分を切る位だ。とはいうもののエンジンオイル自体はさすがに劣化してくる。振動も大きくなってきたし、アイドリングも徐々に不安定になってくる。まあどちらもあくまで比較論であって、修理に持ち込む程のものではない。また、水温がやたらと上がるようになったが、これも乗っている時期(純正オイルは10月〜6月、XF-08は6月〜7月)を考えれば単純に比較は出来ないだろう。オイルの性能が低下も少し早いような気がしないでもない。

さて、とりあえず3,000km走ってみたが、納車時の純正との違いは特に感じられなかった。否、感じられたのだが、季節も違うし、バイク自体の使い方がまるで違うからあまり比較のしようがないのだ。本当の違いは、これからさらに同じオイルを使い続けてみないとはっきりとは判らないだろう。とりあえず次回も同じオイルを入れてみることにしよう。


Over 100,000km Project