save the piazza! ---- diary

1999/6/26 帰ってきたPIAZZA

その後もやっぱり作業ははかどらなかった。進むのは家で出来ることだけで、塗装が剥げたワイパーアームを塗るだとか、DINサイズオーディオが付くようにセンターコンソールを加工するだとか、そんなことだけしか進まない。別にこれだって意味が無いわけじゃないんだけど、錆取りという最も重要かつ最優先課題を放っておいて、こんなことをしているとは一体どうしたことか。そんなことをしている間にも錆は深く静かに侵攻しているに違いない。

何で全然作業が進まないのか? 正直な話、秘密基地に行くのは結構大変だったりする。うちから秘密基地までは片道40km弱、平均して1時間30分程度を要する。往復すると3時間。しかも土日は大渋滞するR134&西湘バイパスを使うので、もうちょっと時間がかかったりする。そうなるとどうしても出かけるのが億劫になってしまって、しかも折角の土日に寝坊したりすると作業時間はもう全然無いのだ。これではマズイ。秘密基地に持っていったのが2月5日で、それ以降直したのってアイリッドのモーターだけじゃないか。それ以外は夜中に部品を積みに行くだけ。マルチドライブモニタなんか直したうちに入らんわい。

そこで、ちょっとばかしシミュレーションしてみる。仮に月に3回行ったとすると、大体240km程度走行することになり、リッター8km走り、ガソリン代を90円として計算すると2700円程度かかることになる。これで西湘バイパスなんか使うとその分高くなる。西湘バイパスはケチって乗ったり乗らなかったりするから、大体4000円/月かかっている、といったところか。ここでようやく当たり前で且つ重要なことを思いつく。

うちの駐車場をもう1台分借りても全然値段が変わらないじゃないか!

そう、うちに置いてもコストは全然変わらないのだ。それどころか、往復する時間の分だけ錆取りする時間が増えるんだから、明らかにこっちの方が有利だ。荷物置き場として見た場合も近けりゃ近いほど具合がよろしい。めでたく車検が取れたらどうせここに置くんだから、他人に借りられないうちに確保しておくのも重要だ。決まり決まり、そうした方が絶対いいに決まってる。早速、うちに持ってくるための計画立案を行う。まずは駐車場を借りなければならない。その後、自賠責と仮ナンバーを手配して持ってくる。計画も何もない、これだけだ。せっかく動かすのならついでに見せびらかしたいので、持ってくる日を横浜オフの前日に設定して、仮ナンバーで横浜オフに颯爽と登場することにする。そこで、移送日時は6月24日に決定。

ウチの大家に駐車場を借りたい旨を告げる。前回は借りた車だったんでちょっとだけだったけど、今回は長くなりそうです、しかも車は動かないんですよハッハッハ、なんて言っていると、何と大家さんは1ヶ月3000円にまけてくれるではないか! いやいや有り難い。今まで頑固オヤジなんて陰口叩いてしまってスイマセンでしたねえホントに。しかしこれはデカイ。これなら秘密基地に置くより確実にコストパフォーマンスが良い。勿論大家さんの気が変わらないうちにこれで手を打つ。

自賠責と仮ナンバーは移動する前日にでも手配すれば良い。問題はJR130がちゃんと動くかどうかだ。コイツが動かなくちゃ話にならん。移動の前の週にチェックに行く。バッテリーのターミナルを繋ぎ、エンジンをかける。若干ブスブス言ってるけど、暫く放っておくと元に戻る。ちょっと前後に動かしてみる。駄目だ、これだけじゃ問題が有るんだか無いんだか判らん。でもとりあえず動くから大丈夫だろう、ということにしておく。相変わらず俺はやることが全てテキトーだ。ホントにいいのか? こんな確認で。

ついでだから錆取りしようかと思ったけど、例によって雨が降ったり止んだりしている。雨なんか降ろうものなら下手に錆を取っても結局錆を増殖させるだけだったりするので、結局今日も何もしないことにして、何となくJR130の運転席に座る。またまたマルチドライブモニタをいじって遊ぶ。いじっているうちに、遊んでいるコネクターをオーディオに繋ぐと動いたりするんじゃないだろうか、なんていう下らないことを思いつく。ホントに下らない思いつきだったことに後で気付く。

試しに合いそうなコネクターを繋げてみる。一応形にはなったので、キーを捻ってみる。が、やっぱり動かない。まあいいや、どうせこれは使わん、さて、帰るか、と思ったら、何とマルチドライブモニタに時計が表示されていないではないか。ぬぉぉ何だこれは、真っ暗じゃないか、一体どうしたんだ! 慌ててキーを捻り直す俺。でも何も変わらない。マルチドライブモニタのボタンをやたらめったら押す。勿論何も変わらない。クソッ、オーディオの配線なんかいじるんじゃなかった、しかし何で関係ない所をいじっただけなのにこんなことになるんだ? コネクターを挿し直したり、試しにバッテリーのターミナルを抜いてみても何も変わらない。ふと思いついてヒューズを見てみる。どれが当たりなのか判らないけど、試しに時計とかのメモリー用の5Aヒューズを見てみると、何となく切れているような気がする。普通の10Aとか20Aのやつと内部の線の形が違うからよく判らん。そこで、他の7.5Aのヒューズをそこに挿してみて、再度キーを捻ると...動いた。良かった。助かった。これだけは絶対に壊してはならんのだ。危ねえ危ねえ、多分変なところに繋いでショートでもしたんだろう。しかしまたこの車は何で5Aだとか7.5Aだとか変なヒューズが多いんだ、なんて自分のミスをヒューズのせいにしたりしながら、この日は家に帰る。

移動の前日、ウチの近くの保険事務所で自賠責に加入する。1ヶ月で6700円もしやがる。何でこんなに高いんだ、と文句をつけてはみたけど、裏技で5日とかにしても900円くらいしか変わらないらしいので1ヶ月にしておく。そのまま役所に行って仮ナンバーを借りる。移動経路には、小田原〜田園調布〜辻堂という何がしたいのかよく判らない経路(しかもウソ)を書いてあるのに、何のお咎めもなくあっさり交付。こちらは750円。せめて自賠責もこの程度にして欲しいもんだ。これで準備は整った。あとは取りに行くだけだ。出社途中のオートテックで5Aのヒューズと、ちょっと減っている冷却液を買って事前の準備は完了だ。

移動の日。秘密基地まで電車で行くのは面倒くさいので、知人のシビックにそこまで乗せていってもらう。早速出発といきたいところだけど、車内は前回来たときのままで、結構メチャクチャな状態になっていたりする。外しっぱなしだったセンターコンソールをかなり無理矢理セットして、仮ナンバーを付ける。前にナンバーを取ったときにポロッと落ちたナットも、ちゃんと新品を買ってきてあるので問題ない。ワイパーアームは外して塗装中なので、イーグル祭りで取ってきたやつをフロントだけ付ける。リヤは元々ついていたやつも、イーグルで取ってきたやつもゴムが裂けていて使い物にならないからリヤワイパーは無し。ウォッシャー液を出すと、液体だけ元気よく上に向かって飛んでいくのが情けない。オーディオが無いので、持ってきたラジカセをニッポン放送に選局して準備完了。残念ながら大洋ホエールズは今日も負けているようだ。

エンジンをかけ、ライトをつける。アイリッドはスッと開く。よっしゃ、準備完了だ、行くぞ、とシビックの知人に手で合図するために窓を開けようとすると、パワーウインドウがピクリとも動かない。何だこりゃ、この間まではちゃんと動いていたじゃないか。早速ヒューズを見てみると、こちらは問題無いようだ。スイッチをいじりながら耳をすましてみると、リレーのあたりからカチャカチャと音だけしている。あーあ、リレーが死んだか? まあいいや、別に窓なんか開かなくても走る。そのまま帰ることにして、じわじわとバックしながら秘密基地を出る。4ヶ月ぶりの公道走行を前に、明らかに緊張する俺。有り難う、秘密基地。世話になったな。ゆっくりと秘密基地を後にする。

久々に運転するJR130。そうそう、こんな感じだったよ。ちょっと古くさくてさ。ワイパーの妙な動きもなかなか味わいがある。もう少し水はけが良ければ言うことは無いんだけど。気になるステアリングも、相変わらず反応は鈍いもののとりあえず動く。途中の曽我梅園あたりのS字コーナーで一瞬恐怖感を味わい、逆にコイツのステアリング感覚を取り戻す結果となる。橘ICから西湘バイパスにタダ乗りして、珍しく空いているR134を自宅に向かって走る。やっぱり、いいよ、この車。窓も開かないし、オーディオも無いし、ワイパーがボロいから前も良く見えないけど、良いものは良い。久々の運転を楽しんで、1時間ちょっとで自宅に戻り、JR120と並べて停める。勝手に悦に浸る俺。俺を見て馬鹿にするシビックの知人。

そして翌日、見事なまでの豪雨。ワイパーが遅くて、デフォッガも効かず、窓も開かないオンボロJR130にとっては、というより俺にとっては拷問のような状態の中を走って都筑PAに到着。見せびらかすという目的をようやく果たし、遂に錆取りの日々が始まるのであった。

Next diary

save the piazza!