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1999/12 〜 2000/3 江戸むらさき特急、発進

最初はリヤバンパー、そして給油口と、後ろの方から取りかかっていたはずの錆取り作業は、その後フロントバンパーとフェンダーを外したりしているうちに、気付いたら前の方が中心になっていた。エンジンルームの裏側だとか、フェンダーの裏側あたりといった、バンパーやフェンダーインナーに隠れた部分の錆はそりゃもう酷いもんなので、見つけた瞬間思わず手が出てしまって、何時の間にかそのあたりばっかりやるようになってしまったのだ。

見つけた瞬間にその場で擦り取る、くらいで終わってくれれば何てことないけど、困ったことにコイツらはそんな簡単に取れる錆じゃない。何しろあっちもこっちもそっちも、何処を見ても錆びているのだ。平面部分はまだいいとして、何とも困るのが鉄板の合わせ目だとか、何かの裏側だとか、どうにも手が入りにくいところばっかり錆びているっていうこと。ひたすらワイヤーブラシやサンドスポンジで擦ってはみたけど、こんなことばっかりやっていても何時終わるのかさっぱり判らんぞ。この時はまだグラインダーも持っていなかったし、そもそもグラインダーなんかで擦れるような場所じゃない。そういう時は神様仏様POR15様に平身平頭お願いするのみ。もうコレしか頼るものが無いのだ。早速固着した蓋をドライバーでこじ開けてあっちこっちに塗りまくる。刷毛を使えばいいのに、うすめ液代をケチってヘラで塗るのはいつも通りで、しかもこういった重力に逆らって塗らざるを得ないような場所に塗っていると、ヘラからPOR15がダラダラタレてくるもんだからあっという間に手がPOR15まみれになってしまって、これが全然剥がれなくて翌日の朝にコンビニでスポーツ新聞を買うときに恥ずかしい思いをするのもいつも通り。そんなことをあっちこっちの錆に対して繰り返す。あんまりにも錆が多いので、これだけであっという間に数ヶ月かかってしまう。

とりあえずPOR15を塗ってしまえば、その場しのぎとしては十分なような気もするけど、ビニールレザーを探している時にこんなものを1900円で衝動買いしてしまったので、折角下回りをやったんだからここで使わない手はない。コイツはノックスドール製の「オートプラストーン」とかいうアンダーコートで、何やらVOLVOに純正採用されているらしい。少なくとも缶だけ見ているとVOLVO製品としか思えないぞ。まあ少なくともいすゞ車よりは錆に強そうなVOLVOが使うんだから悪いモノじゃないんだろう。そんなどうでもいいモンクを言いながら缶を開けてみる。POR15とは違ってアッサリ開いてくれる蓋を取ってみると、そこにあるのはどう見ても桃屋の「ごはんですよ(江戸むらさき)」。何じゃこりゃ一体。ペンキみたいなものを想像していた俺は思いっきりスカされた気分。試しにヘラを差し込んでみると、江戸むらさきと比べると非常にネトネトしていて、どっちかって言うと液体というより粘土に近い。こんなものどうやって塗るんだ、って感じ。

モンクばっかり言っていてもしょうがないので、オートプラストーンをヘラで掬ってエンジンルームの裏側に塗ってみる。ネトネトしているので、POR15みたいに手に流れ落ちてこないので非常に具合が良いことにここで気付く。ふむ、さすがノックスドール、なかなかやるではないか。米国製のPOR15はやっぱり大雑把でダメだな、なんて、ついさっきまで神様扱いしていたくせにケチをつける。あんまりネトネトしているので一体どんな感じになるのか心配だったけど、いざ塗ってみると意外にノビてくれる。調子に乗ってあっちこっちに塗りまくる。タイヤハウスだとか、フェンダーの取付け部だとか、あんまり関係ないところにまで塗りまくる。よっしゃ、これでPOR15の塗膜も守られるから完璧だ、と一人で図に乗る。そうして図に乗っていると、オートプラストーンが服にネットリ付いていたりして、下手すりゃ手に付いたPOR15よりタチの悪い事態になったりしている。とにもかくにもこれにてフロント側の下回りの処理を終える。とりあえずこれだけやっときゃ何とかなるでしょう。

下回りを黒に塗ってみると、やっぱりPOR15まみれになっているフロントパネルのみっともなさが非常に際立つようになってしまった。こっちも錆を見つける度にそれを削ってPOR15を塗ってを繰り返していたので、どうせライトやグリルを付けたら見えやしないと判っていても何だか妙にみすぼらしい状態になってしまったのだ。だからってわざわざマスキングしてスプレーで塗るのもメンドクサイので、ホームセンターに行って屋外用のペンキを買ってきて、刷毛塗りしておしまい。ホントにペンキそのものだっていうのがちょっとカッコ悪いし、しかも刷毛の後が目立つのも何とも情けないけど、どうせ見えないからどうだって良いのだ。しかし、こんなので満足している場合ではない。肝心のエンジンルームの塗装が全然終わっていないじゃないか!


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