save the piazza! ---- diary

1999/10/16 ジ・エンドレス・錆 (3)

10月といえばバイクでツーリングの季節だ。そんなわけで土日はこれまたあんまり調子が良くないバイクの整備とツーリングにあてることにして、平日は(良いのか悪いのか判らないけど)やることが無くなったリヤバンパーに続いてフロントバンパーの錆取りを開始した。やることはリヤと全く同じで、剥離してひたすら錆を取ってPOR-15で仕上げるだけなんだけど、今度はある方からホビールーターを借りたので多少作業がはかどる。グラインダーに比べると威力はカワイイもんだけど、ヤスリでガリガリやるよりはよっぽど楽だ。その代わり手が痺れてしょうがないけど、一度始めると止められなくなってしまってつい夢中になってしまう。リヤの時はステーの錆取りをサボって自滅したので、今回はステーもちゃんと錆を取る。夜中の12時を過ぎているというのに、どこかの部屋からガーガーギーギーと五月蝿い音が聞こえることをこのマンションの他の住民はどう思っているのだろうか。まあいいや、隣も下も空き部屋だし。

なんて開き直っていたのがいけなかったのか、バンパーを外すときに折ったステーを固定するボルトをスクリューエキストラクターで外そうとしたら、何とそのエキストラクターまでもが折れてしまって、今度こそ二度と外れないボルトになってしまった。もう考えるのもメンドクサイので、ここにはボルトなんてものは最初から無かったことにしてしまう。仕方がないので、残ったもう片方のボルトを止めて、適当に位置合わせして、折れたボルトのそばにステーと骨の両方にドリルで穴を掘る。もうどうでもええわい、勝手にしやがれ、なんて完全に開き直っている俺は、その穴に細いボルトを通してとりあえず固定は出来ることを確認して満足する。しかし、いくら開き直ろうとも、たかがナットが無いせいでガワに取り付けられないことが判っているバンパーの骨の錆取りを続行しなければならないということは空しいことこの上ない。

こんな空しい平日を繰り返していたある日、注文していたバイクのタイヤ交換のためにバイク屋に行くと、何とバイク屋はタイヤのサイズを間違えて取寄せてしまったらしい。マッタク何やってやがる、これじゃあツーリングの予定がオジャンではないか。今のツルツルミシュランじゃあ、とてもじゃないけど遠出する気になれん。次の月曜日には来ますから、なんて平身平頭だが、俺が乗りたいのは今週末であって月曜ではない。そんなことを言っている間にも整備の兄ちゃんは外してしまった溝の無いタイヤを再度ホイールに付けている。あーあー何てこったい、また暫くこのタイヤか。こうして突然やることが無くなった土曜日に、前に外したフロントバンパーに続いてフェンダーを外すことにした。

既にバンパーが無いのでフェンダーを取り外すのは何てこと無いけど、まずはフェンダーの前にロッカーカバーを外さなければならない。カバー下部のネジをドライバーで次々と外す。錆びているのは明らかなので慎重に外さなければならない。低い位置にボルトがあるので腰が痛くなる。何とかネジを折ることなく外せたようだ。そしてドアを開けたところにあるメクラ蓋を外すと、あとは強引にカバーを引っ張るだけだ。どうにも固いので、両端の挟んでいる部分に無意味と判っていながらもCRC 5-56を吹いたりして引っ張っていると、やっと外れた。そして、外れたカバーの裏に現れたのはいつもの光景であった。

ドアの前端部、後端部の下が見事に錆びて穴が開いていた。クソッ、もう慣れたから何とも思わんぞこんなの。何で部品を外すと毎度これなんだ。錆に慣れたのは事実のようで、特に落ち込むこともなくフェンダーのボルトを外している自分に驚く。しかしやはり動揺は隠せなかったのか、フェンダー上部(ボンネットに隠れる部分)のボルトを1本折ってしまった。こんな所までが折れるとはさすがに予想できなかったが、こんなのにいちいちうろたえていてもしょうがない。ボルトは5箇所くらいあるから、1箇所くらい無くたって別に何の問題も無ェだろ馬鹿ヤロー、なんて実は折ってしまったことを悔いているということを露呈するような文句を言いながら他のボルトを外す。サイドシルに止めている部分と、タイヤハウスのインナーカバーのボルトを外してフェンダーを取り去る。うむ。全体的には思ったより錆びていない。否、前端の固定部なんかは実はかなり錆びているんだけど、こんなの大したこと無いように思えてしまうから不思議なもんだ。

続いて左側も外す。こちらのサイドシルも右側と全く同じ部分が錆びている。今度こそ何とも思わない。これは一度豪快に大穴開けてノックスドール吹いておいて、硬質ウレタンでも突っ込んで上からFRPか何かで固めりゃいいや、なんてことを考えながらフェンダーも外す。こちらはサイドシルに止めている部分は既に腐って無くなっているので、外すボルトは1本少なくて済むが、そんなの嬉しくも何ともないぞ。問題はその腐りがボデー側にどう影響しているか、ということだけど、運良くボデーの錆はそれほど大したものでは無いようだ。そして勿論腐ったフェンダーは粗大ゴミ行きである。今更こんなの誰も欲しがらねえだろ。そしてボデーのあちこちにポツポツと露出している錆を眺めながら一服する。あーあ、あと何年もつかねえ、このボデーは、なんて文句を言いながら落ちた錆を掃除する足取りはとんでもなく重かった。


Next diary

save the piazza!