針金式燃料ポンプ

ガソリンもようやく普通に手にはいるようになってきたので、Moto-binsから届いた燃料ポンプを交換することにした。3/14には届いていたのだが、正直それどころじゃなかった。

その前に、一つ問題がある。先日、ちょこっと乗ったときに、よりによってガソリンを(1000円分だけだが)入れてしまったのだ。マニュアルによれば、燃料ポンプ交換にあたっては、まずはガソリンタンクからガソリンを抜いて、さらにガソリンタンクを外すことになっている。ガソリンタンクなんか外さなくてもできそうな気がするが、まあとりあえず言われたとおりにやってみることにした。

問題は、ガソリンの行き先だ。これだけのためにガソリン携行缶を買うのも馬鹿馬鹿しいし、そもそもこのご時世、携行缶はほぼ売り切れ状態だ。そこで、K1100RSの隣にいるセローのガソリンタンクを携行缶がわりにする。困ったことにセローのガソリンタンクは珍しく満タンだ。仕方がないので、セローのガソリンをピアッツァに移し、空になったセローのガソリンタンクにK1100RSのガソリンを移す、なんていう二度手間をすることになった。セローのタンクにハイオクガソリンが入るなんて滅多にない。

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やっと下準備第1弾が完了。続いてはガソリンタンクを外すのだが、タンク下にあるホースが固く、なかなか抜けない。ホース自体もおそらく20年近く無交換だろうから、それなりに劣化しているはずだ。ここで強引にやってホースに亀裂が入ったり断裂したりすると最悪なので、タンクを外さずに燃料ポンプ交換を試してみることにした(というのは言い訳で、実はメンドクサかっただけなのはいつも通り)。

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マニュアルによると、燃料ポンプを外す手順として、まずは燃料ポンプに固定されている電源ケーブルを外し、続いてホースを抜き、最後に燃料ポンプ自体を外すことになっている。しかし、電源ケーブルを固定しているナットはかなり奥まったところにあり、しかもが極めて固く締め付けられており、まるで外れる気配がない。仕方がないのでそれは放置してホースを外そうとしたが、これまた固くて一苦労。ホースはなんとか外すことができたが、電源ケーブルはどうしようもない。

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結果的に、電源ケーブルを外さないまま燃料ポンプを引っ張り出す羽目になった。燃料ポンプは、プラスチックのブラケットを介してタンクに固定されている。ブラケットの左右にある爪を掴んで引っこ抜けば、燃料ポンプを取り出すことが出来る。しかし、タンク内には色々なモノがあり、ケーブルが繋がったままなので慎重な作業を強いられる。

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ポンプを取り出したところで、電源ケーブルを外す。しかし、相変わらず固い。この状態でこれだけ固いのだから、中にある状態で外せるわけがない。その固さは半端なものではなく、慎重に外そうとはしていたにもかかわらず、ボルト側を固定していたプラスチック部分を捻り壊すことになってしまった。最終的にはバイスプライヤーでベース側を掴むことで、ようやくケーブルを外すことができた。ちなみにこのケーブルは、+側と-側でボルトの径が異なっており、誤接続をしないようになっている。俺みたいに、何も考えずに外しまくって後で困るタイプの人には、こういう設計は助かる。

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あとはプラスチックのブラケットを外すだけ。これはポンプとの間にゴムのベースがあり、このゴムを無理矢理スライドさせて外す。しかしこのゴムがなかなか外れない。どうして外れないのかと思ったら、ポンプの外筒に突起があり、これに引っかかっているからだ。ゴムの弾力を使用しているだけなので、力ずくで外す。

ブラケットとゴムを外したところで、今回購入した燃料ポンプには、この突起が無いことに気付く。

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さてどうしたものか。この突起がない状態で、ブラケットを固定できるのだろうか?ものは試しで装着してみたが、案の定グラグラスカスカで、全く固定できない。これではタンクの中でポンプが動いてしまうではないか。自ら上下動するポンプにどんな意味があるというのか。どうすんだよMoto-bins。こんなの売りやがって。さすが英国、クラフトマンシップの国だ。単純交換可能な部品ではなく、素材としてポンプを売るとは。

ブツクサ言いながら固定方法を考えてはみたが、あまり良い方法は思い浮かばない。とりあえずそのまんま何もしないで新しいポンプを装着して、動作確認だけしてみた。動作には問題ないようだ。蚊の鳴くようなジージー音も小さい。古いポンプで発生していた異音も当然ない。あとは装着方法だけか…

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用事があったこともあり、ここで作業は一旦終了。あまり焦ってやってもろくなことがないので、一晩放置して装着方法を考える。とにかく、人工的に突起を作り、かつそれを固定すればいいだけなので、何かをグルグル巻いてしまえばどうにかなるような気がする。ガソリンに浸けておくものなので、素材には若干気を遣う。ちょっとだけ考えた末、燃料ポンプの胴体に針金をグルグル巻いて、それをアルミテープで固定してしまうことにした。

翌朝、ちょっとだけ早起きして、早速作業開始。前夜に一旦装着した燃料ポンプを再び外し、人工的突起作成作業に入る。

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この状態でゴムを装着してみたところ、(当たり前だが)ブラケットはきちんと固定できる。これ以上の策も思いつかないので、この状態で燃料ポンプを装着してしまった。とりあえず、問題なく動いている。これで様子を見るしかあるまい。

あと残る作業は、ブレーキランプのスイッチ交換。燃料ポンプは、結果的にガソリンタンクを外すことなく交換できたのだが、ブレーキランプスイッチを交換する場合、ケーブルを通す関係で、どうしてもタンクを持ち上げざるを得ない。幸か不幸か、ガソリンを抜いておいたことがここで役に立つ。ブレーキランプスイッチ自体は単純に交換するだけなので大した作業ではない。以前、ブレーキマスターシリンダーを交換した際にブレーキランプスイッチを移植したので、構造を覚えていたことが役に立った。もしその作業をしていなかったら、何も考えずにハンドルからユニットを丸ごと外していたのではないかと思うが、スイッチだけならそのまま交換できる。

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さらについでに、購入時点でエンド部分が破損していた(ということにブレーキマスターシリンダー交換時に気付いた)アクセルワイヤーも交換した。これもある意味消耗品だ。50,000kmも近いこの時期に交換するのも悪くない。

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想定外のことで余計な時間を取られたが、とりあえず作業は一段落した。外した部品類を装着し、セローからガソリンを戻した頃には、もう昼飯時であった。試運転がてら、ピアッツァの横浜オフに出かけた。燃料ポンプは快調なのだが、今度は別の異音が目立つようになってしまった。エンジンの下の方からカラカラコトコトと音がする。何だこりゃ?

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交換時の走行距離:48,350km(ぐらい)